美容外科大手全国チェーン店の隠された実態について
医療事故、医師への告訴、医師逮捕、賠償請求、産科、小児科激減、公立病院縮小、大学病院への信頼崩壊など我々医療従事者にとってよくないニュースが流れない日はないと言っても過言ではありません。現在医師不足と盛んにニュース報道されていますが、実は医師全体数の医師不足ではなく、外科医をやめ内科や他科として開業する。あるいは他科へ転職するなどの極端な変動が起こっているからです。産科や小児科の医師不足とは裏腹に新規美容外科医の独立開業がここ数年急速に増えています。美容外科全国チェーン店がいくら名の知れたクリニックであるといっても、莫大な広告費やテレビコマーシャルを使って名が知れるようになっただけで決して技術や内容が伴っているわけではありません。美容外科の領域にいたっては胸部外科や消化器外科などの大手術とは違い、ほとんどの治療が外来でできる手術であるため、美容外科全国チェーン店がいくら、クリニックの規模の大きさや在籍する医師の数を誇っても、あまり意味のない医療分野なのです。もともと美容外科自体がチーム医療である必要性がなく、医師一人で行う、職人的なものとお考えください。今まで私は10数名の大学病院形成外科専門医(その時点で15年以上のキャリアを持つ形成外科専門医で講師クラス)と一緒に仕事をし、美容外科を指導してきました。やはり美容外科の技術は症例をこなすことに勝るものはありません。竹内クリニックでは、20年以上の経歴を持つ形成外科専門医による外来治療の専門日はありますが、美容外科手術に関しましては院長である私が責任を持って行っています。ほとんどの美容外科手術は局所麻酔で十分ですが、全身麻酔が必要なときは大学病院麻酔科専門医(教授、助教授クラス)をお招きし麻酔を担当していただいております。美容外科とは、主治医のセンスや経験によって手術結果のすべてが、決まってしまいます。また現在では患者様はインターネットなどを通じて、情報を入手することができ、美容外科全国チェーン店はいくらテレビやマスコミ、インターネットを使ってガンガン広告宣伝しても、今までのように都合よく「大手の美容外科クリニックだから安心である。」と一方的に患者様を洗脳することができなくなってきたのです。患者様が医師を選ぶ時代になり、同時に同業者が増えれば大手といえど、今までのように殿様商売ができなくなるわけですから、経営者は値段を極端に下げて勤務医や医療従事者を酷使するか、あるいは過大な内容の広告宣伝をして、集客し、たとえ疑問に思う治療法であったとしても勤務医に強いる以外方法がありません。そうすれば当然、まともな、診察、治療、アフターケアなどとてもできるはずがありません。また現在では昔と違い、日本も欧米型訴訟社会になってきました。美容整形の泣き寝入りも少なくなり、医療訴訟もどんどん増えてきたのです。法律的に、医療賠償請求は経営者ばかりではなく、手術を実際に行なった、主治医である勤務医にも当然かかってきます。訴訟リスクや全国チェーン店の経営者の診療方針に不安を感じた古株の医師がどんどんやめ独立開業しています。そうするとチェーン店の経営者は新たな医師が必要なので未熟な研修医を雇い、わずかな期間でインスタント美容外科医を作るため、患者様とのトラブルや医療訴訟が頻繁に起こるのです。研修医が研修医を指導する。恐ろしいようですが、これが実際の全国チェーン店の偽らざる現状です。未熟な研修医にあたればたとえ注射などの簡単なプチ整形といえど大変危険です。現実には大手全国チェーン店は名ばかりのところも多数存在していますので、細心の注意が必要ですね。全国には優秀でまじめで良識ある個人開業医の方がたくさんいらっしゃるのに、美容外科のイメージ自体がそのような理由で悪くなるのは非常に残念なことです。世の中には業種によって全国チェーン店で良いものとそうでないものとがあります。美容外科医とは患者様をキレイにし、治療結果に満足してもらうことが使命であり、熟練した医師が診察、手術、アフターケアのすべてを責任を持って最後まで行うことが使命ではないでしょうか。私は美容外科に対する熱い思いと、理念のもとで10年前に宇都宮竹内クリニックを個人開業しました。
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